「妹の具合が悪いようなので、早退させます。この時間は両親も仕事で留守にしてるので、僕も一緒に帰って妹の看病をしてもいいですか?」
「そうか、分かった。もちろんかまわない、お大事に」
「ありがとうございます。授業を休むことになってすみません。それでは失礼します」
職員室から出てきたお兄ちゃんは、ほほえんでわたしの頭をなでる。
「荷物を取ってくるから、下駄箱の前で待ってて」
「うん、ありがとう、お兄ちゃん…」
「これ、汚していいから」
お兄ちゃんがブレザーのポケットから取り出したハンカチを受け取って、わたしはお兄ちゃんを見送ったあと、1人で下駄箱に向かった。
葛谷さんも、未來先輩も、犬丸先輩も…悪い、人だったんだな…。
お兄ちゃんの友だちだし、あたりまえのようにいい人だって信じてた。
こんな、ひどいことをされるなんて…ショックだよ。



