【中】酸いも甘いも、イケメンぞろい。

「クレームどうも。よく言い聞かせておこう」


「はっ…にしても傑作(けっさく)だ。女に振られたこいつの顔!お前らに依頼してよかったぜ、これで気が晴れた」


「えっ…?」




 “依頼”?

 気になることを言った男の人は、嵐のようにそのまま階段のほうへ去っていった。

 思わず栗本さんを見ると、信じられないものを見るような顔でわたしたちを見ている。


 葛谷さんとわたしが一緒にいるからだよね、心が痛い…。




「あの、どういう…」


「ひとまず、帰るぞ」


「はぁい」


「はいッス!」




 葛谷さんたちに聞こうとしたわたしは、葛谷さんの言葉で、なにも聞けないままB棟の備品室に連れていかれた。