3人で、近くの階段ではなく、遠いほうの階段に向かって、3階に戻ると、犬丸先輩は道中操作していたスマホを下ろす。
未来先輩がわたしのうしろから、渡り廊下のとなりにある教室を指さした。
「あのクラスに、弓崎菫ちゃんの彼氏、栗本卓也がいるわ。望羽ちゃんは彼を呼び出して、別れ話を切り出しやすいように話していてくれる?」
「わ、別れ話を切り出しやすいように、ですか…」
そんなこと、わたしにできるかなぁ…。
でも、なんでも任せてって言ったし、がんばろう!
「大丈夫、上手く話せなくてもいいわ。困ったら、彼の目をじっと見つめるの」
「目を、じっと…?分かりました。行ってきます!」
「ファイトッス、望羽ちゃん!」



