【中】酸いも甘いも、イケメンぞろい。

「そうですね。じゃあ、望羽ちゃん、ちょっと移動しましょうか」


「は、はい」




 葛谷さんって大人だ…!

 見てはいけないところを見たような気がしてドキドキしつつ、わたしは未來先輩、犬丸先輩と階段を下りていった。

 1階に来ると、先輩たちはトイレの前で足を止める。




「じゃ、俺はここで待ってるッス!」


「ちゃんと見張りしててくださいね。…さ、望羽ちゃん」


「え…」




 にこ、と笑って未來先輩にさそわれたのは、女子トイレのなか。

 もしかしなくても、未來先輩、一緒に入るつもりなのかな…?




「あ、あの、未來先輩って男の人なんですよね。一緒に女子トイレに入るのは、ちょっと…」




 かぁっと、ほおが熱くなるのを感じながら言うと、未來先輩はおどろいた顔をした。