笑顔で手を振る未來先輩に笑って近づくと、「今日もかわいいわね」とはずんだ声で言われる。
そんなことを言われると照れちゃうな。
「ありがとうございます」
「ふふっ。あっちを見てちょうだい」
きれいな笑顔にドキドキしながら、あっち、と指さされた廊下を見ると、見覚えのある横顔が見えた。
2-Bと書かれた教室の前に、葛谷さんと女の人がいる。
「あそこにいるの、葛谷さんですよね…?」
「そッス、雨蓮くんッスよ」
「そして、一緒にいる女の子が、今回の依頼人。弓崎菫ちゃんよ」
「弓崎…?」
あれ、なんだか聞き覚えがある名前のような。
どこで聞いたんだっけ…?
うーん?と考えている間にも、未來先輩は話を続けた。



