そうだった、お兄ちゃん!
急いで教室に戻らなきゃ、とあわてて立ち上がって段ボール箱から出ると、未來先輩が手を差し出して支えてくれた。
「教室まで送ってあげるわ。一緒に行きましょ」
「ありがとうございます、未來先輩」
笑顔の未來先輩に笑顔を返すと、「かわいい!」と美しすぎるお顔で言われる。
「私、望羽ちゃんの笑顔好きよ。たくさん笑った顔を見せてね」
「えへへ、照れちゃいますけど…はい」
顔をのぞきこまれて、はにかんで笑えば、未來先輩はわたしの腕に手を回した。
「それじゃあデートしてきま~す」と葛谷さんたちに手を振った未來先輩に合わせて、頭を下げてから備品室を出ると、わたしは未來先輩と歩き出す。
渡り廊下を通って、A棟4階まで戻ると、階段へ向かってくるお兄ちゃんと目が合った。



