【中】酸いも甘いも、イケメンぞろい。

「ふ…隠しごとが得意なやつだからな」




 目を伏せて口元を緩めた葛谷さんを見て、思わずドキッとする。

 笑うとさらにかっこいい…。

 冷たそうな雰囲気が散って、なんだか妖しげな雰囲気がただよってるし。


 葛谷さんの視線がわたしに向くと、緊張(きんちょう)して息がしづらくなった。




「茅都は俺たちの“親友”だ。そして、共犯者でもある」


「え…?」




 ふ、とわたしを見ながらほほえんだ葛谷さんは、スマホを犬丸先輩に差し出す。

 犬丸先輩は長い腕を伸ばしてスマホを受け取ると、ひざ立ちになってうしろのスチールラックに向き直った。


 お兄ちゃんが、葛谷さんたちと仲のいい友だちで、共犯者…?

 って、どういうこと…?