【中】酸いも甘いも、イケメンぞろい。



()いたのか?」


「えっ」




 や、やきもちなの…?

 でも、わたし、本当に雨蓮さんのことが好きなのか分からないのに…。

 困って答えられずにいると、雨蓮さんは、ふっと笑った。




「自覚がないのも、それはそれでかわいいな。…俺は望羽の彼氏だって言ってもいいんだぞ」


「つ、付き合ってはないですから…っ!」


「望羽がうなずくだけでいい。そうすれば、話した内容も教えてやる」




 は、話した内容…っ。

 気になる、気になるけど…っ、やっぱり春宮先輩に無断で聞くのはっ。

 ギュッと目をつぶると、雨蓮さんは「強情(ごうじょう)だな」と笑いながら言って、わたしにキスをした。




「~~っ…!?」


「早く俺のところに来い、望羽。彼女になれば、たっぷりかわいがってやる」




 真っ赤なほおをなでて、妖しく目を細めた雨蓮さんに見つめられて、心臓が破裂(はれつ)しそうなくらい活発に動く。

 この気持ちを“恋”と呼ばないなら、一体どんな状態が恋と呼ばれるのか。

 そう考えたら怖くなってしまうくらい、今のわたしは…雨蓮さんの甘い声に心を支配されていた。




fin.