「み、みなさん!わたしなら大丈夫ですから!藤井さんをどうするかは、春宮先輩に聞いてください!」 「え…わ、私?」 「そうですよ。被害者は春宮先輩なんですから。春宮先輩は、あの人をどうしたいですか?」 お兄ちゃんに抱きしめられたまま、となりの春宮先輩を見て、にこ、と笑う。 春宮先輩は戸惑(とまど)った顔で藤井さんを見ると…。 「…学校に伝えるだけで、充分です」 そう、静かに言った。