藤井さんの怒った声がして視線を戻すと、藤井さんは床に落ちた写真をかき集めて、わたしに向かって投げてくる。
目を見開いた直後、うしろに抱き寄せられて、先輩たちがまだ動こうとした藤井さんを押さえこんだ。
「望羽に責任転嫁するのは、この状況で一番の悪手だな。よくもまあ、最悪な行動ばかりできるものだ」
「ねぇ、こいつ警察行きでいいんじゃないですか。生温いことはナシにしましょうよ」
「そッスねぇ。望羽ちゃんに危害を加えようとするのはアウトッス」
「お前ら、やるなら徹底的にやれ」
みんなの冷たい声をぽかんと聞いて、苦しそうにしている藤井さんをながめる。
ぱちり、ぱちりとまばたきをしたあとに、わたしはようやく声を出すことができた。



