「はい…」
「お礼の気持ち、もらってもいいか」
「え?は、はい」
それは受け取って欲しいけど、と思いつつ、どういう意味で言ったのか分からなくて、きょとんとしていると。
葛谷さんは、ふっと笑って目を伏せ、わたしに顔を近づけた。
え…?
え…!?
えぇっ…!?
近いな、と思ってもまだまだせまってくる葛谷さんの顔にびっくりして、ギュッと目をつぶると、唇に柔らかい感触がした。
…初めてだったけど、分かってしまう。
わたし、今…っ。
バクバクバクッて心臓がさわいで、頭がくらくらしてくるくらい、体が熱くなった。
「望羽を助けるのに、礼なんていらない。…が、感謝の気持ちを示すなら、こうしてくれたほうが俺はよろこぶ」



