「大丈夫だ。…不良にからまれて負けるようなら、不良相手になんでも屋なんて始めない」
「葛谷さん…」
もう大丈夫、って安心させてくれたように感じて、こわばった心がほぐれていく。
もしかして先輩たちって、強いのかな…?
前も、中武さんから助けてくれたし。
あ、そういえばまだお礼を言ってない!
ハッと気づいたわたしは、葛谷さんの目を見て口を開いた。
「葛谷さん、助けてくれてありがとうございます。葛谷さんが来てくれなかったら、どうなってたことか…本当に、ありがとうございます」
距離が近いから、ほんの少しだけ頭を前にかたむけて感謝の気持ちを伝える。
ほおに触れている葛谷さんの手に触れて、この手が助けてくれたんだな、と目をつぶって温もりを感じていると「望羽」と名前を呼ばれた。



