「よかったぁ…」
「よくねぇ!せっかく金払って別れさせたのに…!てめぇのせいだろ!なんでも屋が店じまいしたのも!」
「えっ…そ、そうとも言えなくはないですが…!」
「おかげでこっちはイライラしてんだ!多少は痛い目見せてもいいよなぁ…!?」
中武さんはわたしを横の壁に押しつけて、こめかみに青筋を浮かべながら拳を上げる。
え、え、またなぐるつもり…っ!?
やだ、どうしよう…っ。
「や、やめてくださいっ…!」
「うるせぇっ、一発なぐらねぇと気が済まねぇんだよ!」
拳を引いたのを見て、もうダメ、なぐられる!と思って目をつぶると、「ゔっ」と中武さんのうめき声が聞こえた。
肩をつかむ手が離れたのを感じて、そぉっと目を開ければ、中武さんの頭が沈んでいく。
え…と目を丸くすると、くずれ落ちた中武さんのうしろに、葛谷さんがいた。



