【中】酸いも甘いも、イケメンぞろい。



 先輩たちと仲直りしてから…そして、先輩たちに告白されてから、数日。

 いいなんでも屋さんに変わることになった先輩たちは、“今までの清算をする”と言って、いそがしくしているみたいだった。

 わたしはすべてが終わるまで、B棟の備品室にも、先輩たちにも近づかないように、と言われて、今まで通り過ごしている。


 まぁ、“今まで通り”と言うには…みんなからお兄ちゃんのことを聞かれたり、頼みごとをされたりしなくなったんだけど。




「あ…」


「どうしたの?」




 休み時間、日直の女の子を手伝って、クラス全員分のノートを職員室に運ぶとちゅう。

 渡り廊下(ろうか)の向こうにいる葛谷(くずや)さんを見つけて、思わず声をもらしてしまった。




「あ、ううん、ちょっと知ってる人を見つけて。行こう?」


「うん。…本当にありがとう、天衣(あまい)さん。こういうことを手伝ってくれるの、天衣さんだけだよ」