【中】酸いも甘いも、イケメンぞろい。

「そっか、手伝いに来てくれたんだ。ありがとう、望羽」




 お兄ちゃんはうれしそうに笑って、わたしの頭をなでる。




「ううん。でもわたし、お邪魔だったかな…?」


「そんなことないよ。かんたんな用事だったから、もう終わっちゃったんだけどね。そうだ、一緒に教室へ帰ろっか」


「あ、うん。でも、あの人たちが…」


「彼らはもう少し用事があるんだって。2人で帰っても大丈夫だよ」


「そうなの?それならわたし、手伝ってくる!」




 備品室に戻ろうとすると、腕をつかんで引き止められた。

 きょとんとして振り向けば、お兄ちゃんがにっこりと笑っている。




「お兄ちゃん…?」


「先生に頼まれた用事はもう終わってるんだ。3人でもう少し話したいんだって」


「あ、そうなんだ。それじゃあ邪魔しちゃいけないね…お兄ちゃんはいいの?」


「うん。僕はたまたま居合わせただけだから」


「え?」