そんな状況じゃないのに!
わたしはパタパタと両手を振って場の空気を切り替えてから、まずお兄ちゃんを見つめた。
「お兄ちゃん、先輩たちはちゃんと謝ってくれたの!わたしは怒ってもないし、先輩たちを嫌ってもいないから、仲直りしたんだよ」
「でも、望羽…!」
「もう嫌なことだってしないはずだもん!ですよね、みなさん!?」
振り返って聞くと、葛谷さんも、未來先輩も、犬丸先輩もしっかりとうなずいてくれる。
「あぁ」
「もちろん!」
「そッス!」
「お前らの言葉なんか信用できるか!そもそもの性格が悪いんだ、またくり返すに決まってる!」
「性格が悪いのはおたがいさまだろ。他のやつはともかく、望羽は大切にする」



