「あら、この子が、茅都先輩が溺愛してる妹ちゃん?かわいいお顔ね」
「いらっしゃいッス!天衣くんの妹なら歓迎するッスよ!」
「こ、こんにちは」
「望羽、廊下で話そう」
パッと笑顔になった2人に会釈すると、お兄ちゃんが扉の前に立って、笑顔でわたしの肩に手を置いた。
もしかして、お邪魔なほうだったかな…?
「ここで話してもかまわないぞ」
「遠慮しておくよ。…行こう、望羽」
「う、うん…失礼しました」
お兄ちゃんの横から顔を出して、3人に会釈したあと、お兄ちゃんと備品室から離れる。
わたしの肩を抱いたまま、お兄ちゃんは柔らかくほほえんでわたしを見た。
「こんなところまで、どうしたの?」
「あのね、プリントを職員室に届けに行ったら、お兄ちゃんがB棟に行くのが見えて…お兄ちゃんもなにか頼まれたのかなって」



