甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

「許可出さないなら、ずっとこのままでもいいの?」


時哉さんの口元が、私の右耳に近づいていく。







「奏葉、大好き。奏葉以外いない」







その言葉を聞いて、私は気づいたらパッと顔を上げていた。

その一言で心臓の速さなど気にならなくなっていた。



「本当で……すか……?」



声が震える。

時哉さんから告白予告をされていたのだから、分かっていたはずなのに……その言葉を直接聞くのとは全然違う。

その言葉だけで全てのことがどうでも良くなる。

なのに……あんなに気持ちを伝えたいと思っていたはずなのに、すぐに言葉が出てこない。

何とか言葉を私がしぼり出そうとしていると、時哉さんのスマホの通知音が鳴った。

時哉さんは多分仕事関係の通知しかオンにしていない。

時哉さんは「ごめん」と小さな声で謝って、私から離れてスマホを確認している。