甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

「時哉さん、あの……!」

私の言葉に被せるように、時哉さんが口を開いた。






「許可出して」






「え……」






「奏葉に触れる許可。早く」






そんなことを突然言われても、すぐに反応出来ない。




「無許可で触らないって前に言ったから。ほら、早く」




「っ!」




「触ったら駄目なの? じゃあ……」




時哉さんが私の頬に優しく手を当てて、キスをしようとした。

本当の寸前で止まったけれど。

実際は頬に触れる手も寸前で止まっていた。





「もう本当は我慢出来ないけど、奏葉が許可を出すまで待ってあげる。ほら、早く。言って」






時哉さんの吐息が顔に触れた気がした。

呼吸が止まりそうになるのに、心臓がうるさいくらい鳴り響いていて、その対比が気持ち悪かった。

もう言葉を発することも出来ない私に、時哉さんは追い討ちをかけるように続ける。