甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

「末永ってさ、直球じゃん。世渡り下手のくせに、真っ直ぐだし。俺のこと優しいって言うくせに、本気で思ってそれを言っているし。だから、末永の『諦めて』も嘘じゃないじゃん」

田代くんが私の手を(すが)るように掴んだ。





「嘘じゃないって分かっているのに、諦めたくない。まだ付き合ってないって聞いた時、奇跡だと思った。絶対、後悔したくないって。今、伝えるしかないって」





「せめて、あの人と付き合うまでは希望を持たせて」





田代くんの手は震えていたのに、声は震えていなくて……ハッキリとそう言った。



だから、私は……田代くんに掴まれた手を無理やり引き剥がした。



「嫌。田代くんが良い人だって知っているから、それは出来ない。ここで私はハッキリと断る……の……」



泣く理由も、泣いていい理由もないから泣かない。

でも、少しだけ言葉に詰まった私がいた。