甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

「んー、美味しかったー」

「だな。俺多分、また来るわ」

「私も絶対また来る! 次に田代くんが行く時、もし良かったらまた教えて」

「……」

「田代くん?」

「いや、末永は多分無意識なんだろうなって。でも、嬉しいから何でもいっか」

「??」

田代くんは私が意味が分かっていない顔をしていても、気にもしていないようだった。

店を出ると、当たり前のように田代くんが私の隣を歩いてくれる。

田代くんの家は反対方向なのに。

「田代くん、前も言ったけど送らなくて大丈夫だよ?」

「いいから、別に。暇だし」

帰り道も当たり障りのない世間話をしていた。

それでも、やっぱりそんな会話だからこそ楽しくて。