甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

水曜日。

定時を過ぎて、田代くんが私の席まで来てくれる。

「末永、仕事終わった?」

「んー、あと五秒……!」

「……五秒経ったけど」

「終わった! やった!」

「十秒超えてたな」

「今日だけ急に細かくない!?」

私が軽くツッコむと、田代くんが「ふはっ!」と楽しそうに吹き出した。

そんな田代くんを見るのはあまりなくて、何処か戸惑ってしまう。

「じゃあ、行くか」

「和食屋さんだよね? 肉じゃが食べたいなぁ」

「あはは、末永らしすぎる」

嬉しそうに笑う田代くんは、やっぱり何処かいつもより楽しそうで。

同期としてこの会社に入ってから3年ほど経ったが、やっと心を許してくれた感じがして嬉しくなってしまう。