甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

「でも、髪が跳ねてるなら一応鏡で確認してくるね」

そう言って私が休憩室を出ようとすると、田代くんに呼び止められた。

「末永」

「ん?」

「来週なら空いてる? 美味しい和食の店があってさ。だし巻きが美味しいみたい。一人じゃ行きにくくて、付き合ってくれない?」

「来週なら空いてるよ」

田代くんは「じゃあ、また連絡する」といつもの雰囲気で言う。

「でも、意外だった。田代くんって和食好きなんだね」

「なんだそれ」

「いや、田代くん。食とかあんまり興味なさそうだったから。栄養取れればなんでも良いって言いそうな雰囲気がした!」

私がわざとからかうように言葉を返したのに、田代くんがいつものようにツッコまない。

代わりに意味が分からない言葉を残していく。


「和食が好きなわけではないんだけど。ちょっとさっきので吹っ切れたから。積極的になるのも悪くないかなって」


田代くんはそう言って、休憩室を出て行った。