甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

「ごめん、今日は無理なの」

「……なんか用事あった?」

「うーん、あったんだけど無くなったというか……でもとりあえず、今日はやめとく」

田代くんは私の言葉で何か察したようだった。



「末永が最近変わった感じがする理由、当たってたっぽいな」



「え?」



私が不思議そうな顔をしているのを無視して、田代くんは言葉を続ける。



「なんかこの理由は当たってて欲しくないって気づいたら思ってた。末永、こっち向いて」



意味が分からない言葉を続ける田代くんに私はつい顔を向けてしまう。

そんな私の顔を見て、田代くんが苦しそうに笑った。

そして、私に届かないほどの声量で何かを呟いた。


「……なんでこんな時でも勇気出ないんだろ」


田代くんの手が私の頬に伸びる。

そして、私の頬に一瞬触れた気がしたのに、田代くんはすぐにその手を引っ込めた。

田代くんの揺れた瞳と目が合う。






「末永、触れていい?」






その日、私は初めて田代くんの声が震えているのを聞いた。