甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

「おいし……!」

「喜んでもらえたなら何より」

そう言う時哉さんは本当に嬉しそうで、私の方が照れくさくなってしまう。

美味しい料理を食べながら、他愛のない話をする時間がただただ楽しくて。

気づけば、デザートが運ばれてきていた。

「時哉さん、このお店を出たら、コンビニですからね……! 忘れちゃダメですよ! せめていっぱい買って下さいね!」

私の言葉に時哉さんが「ふはっ!」と小さく吹き出した。

「じゃあ、飲み物とお菓子を頼もうかな」

「もっと買って下さい!……あ、そうだ。アイスも買って、一緒に食べましょ!」

「それは、奏葉がこの後ももっと一緒にいてくれるってこと?」

「そういう意味じゃ……!」

「いてくれないの? アイス奢ってくれるんでしょ?」

「……奢りますけど!」

どうしてかな。

いつも楽しい食事が終わるのは少し寂しいのに、この後の時間も楽しみすぎて、この店を出ることがあまり悲しくなかった。