次の日、私はようやく食堂のケーキにありつけた。

 食堂はバイキング形式なので、ショートケーキとチョコレートケーキが小さく切り分けられて、たくさん並んでいる。

「わー!やっと食べられる!」

「よかったね、ちとせ」

「うん!」

 今日もさえちゃんといっしょにお昼ご飯。

 今日はカレーを食べることにした。やっぱりカレーはスタミナの源って感じで大好き!

 もちろんケーキも2種類とも取り分けてきた。

 さえちゃんはというと、今日は牛丼だった。相変わらずとっても豪快。

 デザートのケーキにフォークを入れると、スポンジがふんわりと弾んだ。

 ぱくっと口に入れると、優しい甘みが口の中いっぱいに広がった。

「ん~!!おいしいっ!」

 頬っぺたをおさえながら味をかみしめていると、さえちゃんがふふっと笑った。

「ほんとちとせはおいしそうに食べるよねぇ」

「だってすっごくおいしいよ!」

 雪城先輩と祐希くんは、私のケーキほどじゃない、なんて言ってくれていたけれど、食堂のケーキだってすごくおいしい!

「ごちそうさまでした!」

 すぐに食器を片付けて、席を立つ。

「ごめんさえちゃん、今日はお昼休みに行っておきたいところがあって」

 牛丼大盛を頬張るさえちゃんに、私は手を合わせる。

「うん!いってら!」

 さえちゃんが笑顔で手を振ってくれる。

「いってきます!」

 今日はお昼休みに、第二家庭科室をのぞいてみるつもりなんだ。

 放課後、いつ行ってもお菓子作り部の部員さんには会えなくて、お昼休みに活動していたりしないかなぁ、なんて思ったんだけれど…。