「おはよう、あやめ」
「お、おはよう。鴇野さん」
二人にあいさつを返された私は、一叶ちゃんをにらむように見る。そしてハッキリと告げた。
「私、認めてないから。哩都のとなりは私の場所よ。あなたたちの婚約なんて、そのうち破棄させてやるんだから!」
強気の宣言に、周囲がざわめく。
「おいおい、まだ諦めないのかよ」
「どう見たって辰見くんと津嶋さんの方がお似合いなのに」
「あれでしょ? 負け犬の遠吠えってやつ」
呆れと、嘲笑。
私の味方なんて一人もいない。
バカにする声や笑い声を聞いて、私は悔しそうな表情を作った。
でも、内心は喜んでる。この様子なら、私がいなくなっても一叶ちゃんをいじめたりバカにしたりする人は出てこないだろうって思えたから。
そうして内心とは反対に、周囲の声に唇を噛む私へ辰見くんはトドメとなる言葉を口にする。
「あやめ。僕は一叶以外と婚約するつもりはないよ。それに、きみが彼女をいじめてたことも知ってる。僕の大事な人にひどいことをしたきみを選ぶことなんて、絶対にないから」
「っ!」
さすが辰見くん、やっぱり演技上手いよ。
私のことを明らかな敵として見る目とその言葉。それは同時に、今後も一叶ちゃんをおとしめる人がいたら許さないと言っているようなものだから。
「お、おはよう。鴇野さん」
二人にあいさつを返された私は、一叶ちゃんをにらむように見る。そしてハッキリと告げた。
「私、認めてないから。哩都のとなりは私の場所よ。あなたたちの婚約なんて、そのうち破棄させてやるんだから!」
強気の宣言に、周囲がざわめく。
「おいおい、まだ諦めないのかよ」
「どう見たって辰見くんと津嶋さんの方がお似合いなのに」
「あれでしょ? 負け犬の遠吠えってやつ」
呆れと、嘲笑。
私の味方なんて一人もいない。
バカにする声や笑い声を聞いて、私は悔しそうな表情を作った。
でも、内心は喜んでる。この様子なら、私がいなくなっても一叶ちゃんをいじめたりバカにしたりする人は出てこないだろうって思えたから。
そうして内心とは反対に、周囲の声に唇を噛む私へ辰見くんはトドメとなる言葉を口にする。
「あやめ。僕は一叶以外と婚約するつもりはないよ。それに、きみが彼女をいじめてたことも知ってる。僕の大事な人にひどいことをしたきみを選ぶことなんて、絶対にないから」
「っ!」
さすが辰見くん、やっぱり演技上手いよ。
私のことを明らかな敵として見る目とその言葉。それは同時に、今後も一叶ちゃんをおとしめる人がいたら許さないと言っているようなものだから。



