「一叶ちゃん! 今日はごめんね!」
電話の相手は護衛対象である津嶋一叶その人だ。
実は学園へ潜入する前に一度護衛対象の二人とは会っていて、簡単にだけど作戦の内容も説明していたんだ。
だから、私が本気で一叶ちゃんにいじわるをしているわけじゃないってことは彼女も知っているから、本当はわざわざあやまらなくてもいいんだけど……。
「しりもちつかせちゃってごめんね? 痛くなかった? 『床に這いつくばっていればいい』なんてひどいこと言ってごめんね? 本気じゃないからね!?」
昼間、つきとばしたときに見た一叶ちゃんの悲しそうな顔を思い出して、胸の内に閉じ込めていた申し訳なさをまくし立てるように言葉にした。
任務だから悪役の演技はカンペキにやるけれど、本心では一叶ちゃんにあんな顔をさせたかったわけじゃないから。
だからどうしてもあやまらずにはいられなかったんだ。
「ホント、ごめんねぇ……」
申し訳ない気持ちが大きすぎて、涙までにじんでくる。
でもその涙が雫になってしまう前に、一叶ちゃんのあわてた声が聞こえてきた。
『まって、あやめちゃん! 大丈夫だから! 演技だってことはわかってたから!』
「……そう?」
にじんだ涙を指でぬぐいながら聞き返す。
電話の相手は護衛対象である津嶋一叶その人だ。
実は学園へ潜入する前に一度護衛対象の二人とは会っていて、簡単にだけど作戦の内容も説明していたんだ。
だから、私が本気で一叶ちゃんにいじわるをしているわけじゃないってことは彼女も知っているから、本当はわざわざあやまらなくてもいいんだけど……。
「しりもちつかせちゃってごめんね? 痛くなかった? 『床に這いつくばっていればいい』なんてひどいこと言ってごめんね? 本気じゃないからね!?」
昼間、つきとばしたときに見た一叶ちゃんの悲しそうな顔を思い出して、胸の内に閉じ込めていた申し訳なさをまくし立てるように言葉にした。
任務だから悪役の演技はカンペキにやるけれど、本心では一叶ちゃんにあんな顔をさせたかったわけじゃないから。
だからどうしてもあやまらずにはいられなかったんだ。
「ホント、ごめんねぇ……」
申し訳ない気持ちが大きすぎて、涙までにじんでくる。
でもその涙が雫になってしまう前に、一叶ちゃんのあわてた声が聞こえてきた。
『まって、あやめちゃん! 大丈夫だから! 演技だってことはわかってたから!』
「……そう?」
にじんだ涙を指でぬぐいながら聞き返す。



