「あ、鴇野さんよ。よく登校できるよね?」
「ホント、辰見くんと津嶋さんの仲は引き裂けないってわかったでしょうに」
「しかも津嶋さんをいじめてたんだろ? それで転校するハメになるとか、自業自得だよな」
声も視線も私を刺してくる。針のむしろ状態だ。
でも、これでいい。
悪役の私が非難されてるってことは、その分一叶ちゃんたちを祝福しているってことだから。
無事任務完了できたことに安心していると、ちょうど話題の二人も登校してきた。
「あ、辰見くんと津嶋さんよ!」
「おはようございます! 婚約おめでとうございます!」
すぐにあいさつと一緒にお祝いの言葉が飛び交う。二人は照れながらも「ありがとう」と返していた。
幸せそうな二人に、うっかり頬がゆるみそうになる。でもそんな顔を周りの生徒に見せるわけにはいかないから、口元を引き締めて硬い表情を作った。
よし、最後の一仕事だ。
気持ちも引き締めて、歩いてくる辰見くんと一叶ちゃんを迎える。
「おはよう、哩都……それと、津嶋さんも」
怒りを抑えているような、少し低い声であいさつをする。
途端に、祝福ムードだった周囲の雰囲気が変わった。
私に送られる視線が、トゲのように刺さる。
「ホント、辰見くんと津嶋さんの仲は引き裂けないってわかったでしょうに」
「しかも津嶋さんをいじめてたんだろ? それで転校するハメになるとか、自業自得だよな」
声も視線も私を刺してくる。針のむしろ状態だ。
でも、これでいい。
悪役の私が非難されてるってことは、その分一叶ちゃんたちを祝福しているってことだから。
無事任務完了できたことに安心していると、ちょうど話題の二人も登校してきた。
「あ、辰見くんと津嶋さんよ!」
「おはようございます! 婚約おめでとうございます!」
すぐにあいさつと一緒にお祝いの言葉が飛び交う。二人は照れながらも「ありがとう」と返していた。
幸せそうな二人に、うっかり頬がゆるみそうになる。でもそんな顔を周りの生徒に見せるわけにはいかないから、口元を引き締めて硬い表情を作った。
よし、最後の一仕事だ。
気持ちも引き締めて、歩いてくる辰見くんと一叶ちゃんを迎える。
「おはよう、哩都……それと、津嶋さんも」
怒りを抑えているような、少し低い声であいさつをする。
途端に、祝福ムードだった周囲の雰囲気が変わった。
私に送られる視線が、トゲのように刺さる。



