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学園近くの廃工場なんて一つしかないから迷うこともないとは思ったけれど、せっかくついてきてくれたんだからと、松田くんに案内してもらった。
「あそこから入って行ったんだ」
そう言って松田くんが指差したのは、倉庫みたいな大きな建物だった。
もともとなのか、鍵が壊されたのか。倉庫のシャッターは大きく開かれている。
一叶ちゃんたちは奥の方にいるのか、ここからじゃ見えない。
中にいるのは二人だけだろうか? と気配を探りながら、私はさっき状況報告として創士さんに電話をかけていた透里に問いかけた。
「透里、創士さんへの連絡は完了した?」
「ああ、俺の武器とマロを連れてすぐに向かうってさ」
「了解! じゃ、私は先行くね」
向かってきているのなら、ここにつくまでそんなに時間はかからないだろう。
それでも一叶ちゃんが心配だし、私だけでも先に潜入しておきたい。
クナイを武器にしている私はこっそり潜入したりする任務が得意なんだ。
制服の中に仕込んでいるクナイを取り出して、【夜天光】エージェントとしての私に意識を切り替える。
すると、松田くんと辰見くんが小声で話している声が聞こえた。
学園近くの廃工場なんて一つしかないから迷うこともないとは思ったけれど、せっかくついてきてくれたんだからと、松田くんに案内してもらった。
「あそこから入って行ったんだ」
そう言って松田くんが指差したのは、倉庫みたいな大きな建物だった。
もともとなのか、鍵が壊されたのか。倉庫のシャッターは大きく開かれている。
一叶ちゃんたちは奥の方にいるのか、ここからじゃ見えない。
中にいるのは二人だけだろうか? と気配を探りながら、私はさっき状況報告として創士さんに電話をかけていた透里に問いかけた。
「透里、創士さんへの連絡は完了した?」
「ああ、俺の武器とマロを連れてすぐに向かうってさ」
「了解! じゃ、私は先行くね」
向かってきているのなら、ここにつくまでそんなに時間はかからないだろう。
それでも一叶ちゃんが心配だし、私だけでも先に潜入しておきたい。
クナイを武器にしている私はこっそり潜入したりする任務が得意なんだ。
制服の中に仕込んでいるクナイを取り出して、【夜天光】エージェントとしての私に意識を切り替える。
すると、松田くんと辰見くんが小声で話している声が聞こえた。



