私は透里とアイコンタクトで意思を伝える。
説得は時間がかかりそう。今はそこに時間を取られるわけにはいかない。
透里も同じ考えだったんだろう。目が合ったと同時にうなずかれた。
「わかった。でも、俺たちの指示には従ってもらうからな」
「もちろんだよ」
辰見くんが首を縦に振ったことで、話はついたと判断して私たちは早歩きで進む。
でも、もう一人納得できていない人がいた。
「ちょっ、ちょっと待ってくれよ! なんなんだ? 鴇野さんまで津嶋さんを助けなきゃとか……今まで津嶋さんをいじめていたのに」
困惑を言葉にも表情にもこめて、松田くんが私たちを追いかけながら問いかけてきた。
松田くんの疑問はもっともだし申し訳ないけれど、説明している余裕もないので私は切り捨るように叫ぶ。
「理由があるの!」
それで諦めてくれればいいと思ったけれど、松田くんは「理由って……」とつぶやいただけでついてくるのは止めなかった。
だから、逆に聞いてみることにした。
「松田くんこそなに? この間の体育のときも今も、一叶ちゃんをすごく気にしているみたいだけど?」
状況からして邑本先輩の方があやしいけれど、一応まだ松田くんがストーカーである可能性もある。
このままついてこられて、邪魔でもされたらとても困る。
だから彼が何を思って一叶ちゃんの味方をしているのかだけはハッキリさせておきたかった。
松田くんは「それは……」とためらう様子を見せたけれど、話してくれる。
説得は時間がかかりそう。今はそこに時間を取られるわけにはいかない。
透里も同じ考えだったんだろう。目が合ったと同時にうなずかれた。
「わかった。でも、俺たちの指示には従ってもらうからな」
「もちろんだよ」
辰見くんが首を縦に振ったことで、話はついたと判断して私たちは早歩きで進む。
でも、もう一人納得できていない人がいた。
「ちょっ、ちょっと待ってくれよ! なんなんだ? 鴇野さんまで津嶋さんを助けなきゃとか……今まで津嶋さんをいじめていたのに」
困惑を言葉にも表情にもこめて、松田くんが私たちを追いかけながら問いかけてきた。
松田くんの疑問はもっともだし申し訳ないけれど、説明している余裕もないので私は切り捨るように叫ぶ。
「理由があるの!」
それで諦めてくれればいいと思ったけれど、松田くんは「理由って……」とつぶやいただけでついてくるのは止めなかった。
だから、逆に聞いてみることにした。
「松田くんこそなに? この間の体育のときも今も、一叶ちゃんをすごく気にしているみたいだけど?」
状況からして邑本先輩の方があやしいけれど、一応まだ松田くんがストーカーである可能性もある。
このままついてこられて、邪魔でもされたらとても困る。
だから彼が何を思って一叶ちゃんの味方をしているのかだけはハッキリさせておきたかった。
松田くんは「それは……」とためらう様子を見せたけれど、話してくれる。



