「いいから話せ松田! お前、津嶋さんが今どこにいるのか知ってるのか?」
「えっ、あ……その、邑本先輩が津嶋さんを連れて学園外に出ていくからあとをつけてみたんだ。まだ午後の授業もあるのにおかしいと思って」
話しながら松田くんはバツが悪そうに視線を泳がせる。
「それで、近くの廃工場に入って行ったから……あそこ、最近不良のたまり場みたいになってるみたいで……ごめん、一人で入っていくのはさすがにこわくて」
どうやらおじけづいたことを話すのが気まずかったらしい。
でも、そんなことより松田くんの言葉の方が重要だ。彼の話を聞いて、私たちは顔を見合わせる。
まさかストーカーかもしれないって疑っていた松田くんから知らされるなんて思ってもみなかった。
けれど、これで一叶ちゃんがどこにいるのかわかった。……危険な状況だっていうことも。
「すぐに助けに行こう!」
「そうだな」
透里とうなずき合って、すぐに走り出そうとした。
けれど、辰見くんに「待ってくれ!」と呼び止められる。
「僕も行く! 一叶は僕の大事な人なんだから」
少し青ざめているようにも見えるけれど、その目には強い意志がこめられていた。
アイたちや松田くんの話から、一叶ちゃんが連れて行かれた廃工場には不良たちがいる可能性が高い。そんな場所に戦えない辰見くんを連れて行くのは危険だ。
でも、辰見くんはなにを言われてもついていくって様子だった。
「えっ、あ……その、邑本先輩が津嶋さんを連れて学園外に出ていくからあとをつけてみたんだ。まだ午後の授業もあるのにおかしいと思って」
話しながら松田くんはバツが悪そうに視線を泳がせる。
「それで、近くの廃工場に入って行ったから……あそこ、最近不良のたまり場みたいになってるみたいで……ごめん、一人で入っていくのはさすがにこわくて」
どうやらおじけづいたことを話すのが気まずかったらしい。
でも、そんなことより松田くんの言葉の方が重要だ。彼の話を聞いて、私たちは顔を見合わせる。
まさかストーカーかもしれないって疑っていた松田くんから知らされるなんて思ってもみなかった。
けれど、これで一叶ちゃんがどこにいるのかわかった。……危険な状況だっていうことも。
「すぐに助けに行こう!」
「そうだな」
透里とうなずき合って、すぐに走り出そうとした。
けれど、辰見くんに「待ってくれ!」と呼び止められる。
「僕も行く! 一叶は僕の大事な人なんだから」
少し青ざめているようにも見えるけれど、その目には強い意志がこめられていた。
アイたちや松田くんの話から、一叶ちゃんが連れて行かれた廃工場には不良たちがいる可能性が高い。そんな場所に戦えない辰見くんを連れて行くのは危険だ。
でも、辰見くんはなにを言われてもついていくって様子だった。



