透里と仲直りができて、前までと同じように過ごせるようになった。
 安心したけれど、『もっとかまわないとな』って言っていた透里は、その言葉通り前以上に私にかまってくれるようになった気がする。

 訓練の後、疲れてうっかり躓いたときは抱き留めて助けてくれた上にお姫様抱っこして運んでくれようとしたり。……もちろん断ったけれど。

 お風呂上がりにリビングでくつろいでいたら、お茶を持ってきてくれた上にいつもより近い位置で隣に座って話をするし。……あのときはドキドキしすぎて話が頭に入ってこなかったっけ。

 恥ずかしくて困るけれど、また離れてほしくはなかったから『困る』とは言わなかった。

 ……純粋に、うれしくもあったし。

 でも、そんな状態だからなおさら仕事は気を引き締めないとね! って決意していたある日。
 急展開な事件が起こったんだ。

***

 辰見くんと一叶ちゃんの婚約が発表されるパーティーまであと二日。
 二人が安心して婚約できるように早くストーカーを捕まえたいな、ってちょっと焦りはじめたころ。

 お昼休みに辰見くんと一叶ちゃんの姿が見えなかったから、そばにいるアイ、マイ、ミチに聞かせるため、いらだっているようにつぶやいてみた。

「哩都と津嶋さんがいないわね……また一緒にいるのかしら?」

 すると、三人の口から思ってもみない言葉が出てくる。