シークレット・ミッション～なりきり悪女の恋愛事情～

　親も知らなくて、外見も違って……キレイだって言われても、みんなとは違うって言われてるのと同じ意味に感じていたんだ。

　でも、あやめはちょっと違った。

　俺の目をキレイだって言った後、『私の目もちょっと青いんだ。おそろいだね』って明るい笑顔で言ったんだ。

　はじめて、同じだと言われた。

　そして自分の目の色を見せようとしたのかな？　あやめは俺にぐっと顔を近づけた。

　感情を映しやすい目はキラキラと輝いて見えて、今の言葉が心から思ったことなんだって幼いながらわかったんだ。

　近くで見たあやめの目は、本当に少し青っぽく見えて……喜びの感情を映したその目をキレイだと思った。

　そんなあやめの目とおそろいだって言うなら、悪くないかもって思ったんだ。


　それからも、演技が上手で、本当は涙もろいのに持ち前の演技力でガマンしているあやめがすごく愛おしいって思った。
　それに気づいた頃には、もう俺はあやめが大好きになってたんだ。

　同期の中では一番仲がよくて、一番の幼なじみみたいな立ち位置にはなれた。
　でも、俺はあやめのもっと近い存在になりたい。

　だから、今回のミッションは距離を縮めるのにちょうどいいと思ったんだ。