「驚いてるな……でもなあやめ。演技してないときのお前ってかなりわかりやすいからな?」
「つ、つまり……創士さん以外にも気づいてる人がいるってことですか?」
「まあ、【夜天光】でお前たち二人を知ってるやつならみんな気づいてるんじゃないか?」
「うそぉーーー!」
恥ずかしすぎる!
頭を抱えてうずくまりたい気分になったけれど、ココアのカップを持ったままだったからそれはできなかった。
せめてもと、大きめのマグカップに隠れるよう頭を下げる。そんな私に、創士さんは少し固い声になって話し続けた。
「とにかくそういうことだから、あやめにはそのままでいて欲しいんだ。そのままのお前で、透里を繋ぎ止めておいて欲しい」
「繋ぎ止める?」
「ああ。……透里は、一人だからな」
「……」
透里は、一人。
それだけじゃあ意味がわからない言葉だけれど、透里の生い立ちを知っていればどういう意味で言ったのかはわかる。
透里は……孤児だから。
私が透里とはじめて会ったのは六歳の頃。エージェントになるため訓練をはじめた頃だった。
同じようにエージェントになるための訓練をはじめる同期として、児童養護施設からスカウトしてきたんだって聞いた。透里はそのころから頭がよくて、優秀だったから。
「つ、つまり……創士さん以外にも気づいてる人がいるってことですか?」
「まあ、【夜天光】でお前たち二人を知ってるやつならみんな気づいてるんじゃないか?」
「うそぉーーー!」
恥ずかしすぎる!
頭を抱えてうずくまりたい気分になったけれど、ココアのカップを持ったままだったからそれはできなかった。
せめてもと、大きめのマグカップに隠れるよう頭を下げる。そんな私に、創士さんは少し固い声になって話し続けた。
「とにかくそういうことだから、あやめにはそのままでいて欲しいんだ。そのままのお前で、透里を繋ぎ止めておいて欲しい」
「繋ぎ止める?」
「ああ。……透里は、一人だからな」
「……」
透里は、一人。
それだけじゃあ意味がわからない言葉だけれど、透里の生い立ちを知っていればどういう意味で言ったのかはわかる。
透里は……孤児だから。
私が透里とはじめて会ったのは六歳の頃。エージェントになるため訓練をはじめた頃だった。
同じようにエージェントになるための訓練をはじめる同期として、児童養護施設からスカウトしてきたんだって聞いた。透里はそのころから頭がよくて、優秀だったから。



