ため息の理由は聞かれるかな? と思っていたけれど、こんなピンポイントで聞かれるとは思っていなかった。もう一口飲もうとしていたココアを吐き出しそうになって、あわてて口を閉じる。
むせそうになりながら、私は驚きをそのままに聞き返した。
「なっ、なんで透里が出てくるんですか!?」
「なんでって、あやめが訓練や仕事にまで影響させてしまうようなことって透里関係しかないだろ?」
「そっ!」
当然のことのように言われて、そんなことないです! と叫ぼうとして止める。
言われてみれば、今まで透里のこと以外で深く思い悩むことってあまりなかったかも……?
基本的には私、凄腕のエージェントになるって夢に突き進むことしか考えてないし。
大好きな透里のこと以外でメンタルコントロールできてなかったのって、かなり小さい頃が最後だった気がする。
思い返して答えられないでいると、創士さんは軽くため息を吐いて仕方ないなあって感じの笑みを浮かべた。
「あやめはさ、そのままでいいと俺は思ってる」
「そのままで?」
言ってる意味がよくわからなくて、オウム返しで聞いた。
「そうだ。戦闘訓練も順調だし、演技も上手い。だから本当のお前まで変える必要はないと思ってる」
「本当の私、ですか?」
「そうだよ……。あやめは、透里のこと好きなんだろ?」
「っ!!?」
創士さんの言いたいことがなんなのかわからずまたオウム返しで聞いたら、私の透里への気持ちを言い当てられてしまって息をのんだ。
のんだ息が、胃の方まで落ちたんじゃないかってくらい驚いて目を見開く。
むせそうになりながら、私は驚きをそのままに聞き返した。
「なっ、なんで透里が出てくるんですか!?」
「なんでって、あやめが訓練や仕事にまで影響させてしまうようなことって透里関係しかないだろ?」
「そっ!」
当然のことのように言われて、そんなことないです! と叫ぼうとして止める。
言われてみれば、今まで透里のこと以外で深く思い悩むことってあまりなかったかも……?
基本的には私、凄腕のエージェントになるって夢に突き進むことしか考えてないし。
大好きな透里のこと以外でメンタルコントロールできてなかったのって、かなり小さい頃が最後だった気がする。
思い返して答えられないでいると、創士さんは軽くため息を吐いて仕方ないなあって感じの笑みを浮かべた。
「あやめはさ、そのままでいいと俺は思ってる」
「そのままで?」
言ってる意味がよくわからなくて、オウム返しで聞いた。
「そうだ。戦闘訓練も順調だし、演技も上手い。だから本当のお前まで変える必要はないと思ってる」
「本当の私、ですか?」
「そうだよ……。あやめは、透里のこと好きなんだろ?」
「っ!!?」
創士さんの言いたいことがなんなのかわからずまたオウム返しで聞いたら、私の透里への気持ちを言い当てられてしまって息をのんだ。
のんだ息が、胃の方まで落ちたんじゃないかってくらい驚いて目を見開く。



