全員ではないけれど、立派な一眼レフカメラを持っている生徒も数人いる。写真部みたいだ。
「さ! 今日はここで思い思いの写真を撮ろう!」
茶髪の部長らしい人の明るい声に、部員たちは色鮮やかになってきた裏庭の花壇の写真を撮っている。
軽く視線をめぐらせると、その写真部の人たちを見つめる透里の姿が見えた。
私が気づいたと同時に透里も私に気づいたのか、視線がバッチリと合う。
真面目な顔でうなずいた透里とアイコンタクトで考えを共有した。
ストーカーは、写真部にいる!
手がかりを見つけて内心笑みを浮かべた私だったけれど、今はそっちばかりに気を取られている余裕はなかったんだとすぐに気づく。
私が言葉を続けなかったせいで、後ろのアイ、マイ、ミチが一叶ちゃんを追い詰めるための声を上げてしまったんだ。
「そうよ! あやめさんの言うとおり早く辰見くんと別れなさい!」
「あんたなんて辰見くんに相応しくないのよ」
「片親しかいないから、そういう身の程を知る機会がなかったのかしら?」
「っ!」
三人の暴言に一叶ちゃんは息を呑む。
でも、息を呑んだのは私もだった。
親がいないのは、悪いこと?
そんなわけ、ないじゃない!
胸の奥で、静かに沸騰するような怒りが湧く。
でも、それを表に出すわけにはいかないから拳をにぎって耐えた。
「さ! 今日はここで思い思いの写真を撮ろう!」
茶髪の部長らしい人の明るい声に、部員たちは色鮮やかになってきた裏庭の花壇の写真を撮っている。
軽く視線をめぐらせると、その写真部の人たちを見つめる透里の姿が見えた。
私が気づいたと同時に透里も私に気づいたのか、視線がバッチリと合う。
真面目な顔でうなずいた透里とアイコンタクトで考えを共有した。
ストーカーは、写真部にいる!
手がかりを見つけて内心笑みを浮かべた私だったけれど、今はそっちばかりに気を取られている余裕はなかったんだとすぐに気づく。
私が言葉を続けなかったせいで、後ろのアイ、マイ、ミチが一叶ちゃんを追い詰めるための声を上げてしまったんだ。
「そうよ! あやめさんの言うとおり早く辰見くんと別れなさい!」
「あんたなんて辰見くんに相応しくないのよ」
「片親しかいないから、そういう身の程を知る機会がなかったのかしら?」
「っ!」
三人の暴言に一叶ちゃんは息を呑む。
でも、息を呑んだのは私もだった。
親がいないのは、悪いこと?
そんなわけ、ないじゃない!
胸の奥で、静かに沸騰するような怒りが湧く。
でも、それを表に出すわけにはいかないから拳をにぎって耐えた。



