三人についていった先は、校庭の端の桜の木がある場所だった。
グラウンドと、裏庭の花壇のちょうど間になるあたり。
笑顔で会話している様子の二人は、なにか調べ物をしているみたいだった。
理科の授業で、校内の植物について調べる宿題があったからそのための調べ物かもしれない。
少しはなれたところから様子をうかがっていると、電話でもあったのか辰見くんがスマホに耳を当てた。そのまま二言ほど一叶ちゃんになにかを話して、辰見くんはその場をはなれて行ってしまう。
調べ物に使っていた筆記用具はそのまま置いて行ったみたいだからすぐにもどってくるだろうけれど、このチャンスを逃すわけにはいかない。
部活動中の生徒という多くの目がある場所で一叶ちゃんをいじめることは、彼女のストーカーをあぶり出すためにも必要なことだから。
一叶ちゃんがストーカーの被害に遭いはじめたのは、去年の冬から。
正確には、この学園へ通うために下見などで出入りするようになってからだ。
隠し撮り写真と共に『いつも見守っています』なんて手紙が家に送りつけられるようになったらしい。
それが日を追うごとにエスカレートしていって、一叶ちゃんが辰見くんとつき合っていることを知ったらしいストーカーから『すぐに別れろ』『君に辰見哩都は相応しくない』『別れないと、なにをするかわからないよ?』などと脅迫とも取れる内容の手紙が届くようになった。
グラウンドと、裏庭の花壇のちょうど間になるあたり。
笑顔で会話している様子の二人は、なにか調べ物をしているみたいだった。
理科の授業で、校内の植物について調べる宿題があったからそのための調べ物かもしれない。
少しはなれたところから様子をうかがっていると、電話でもあったのか辰見くんがスマホに耳を当てた。そのまま二言ほど一叶ちゃんになにかを話して、辰見くんはその場をはなれて行ってしまう。
調べ物に使っていた筆記用具はそのまま置いて行ったみたいだからすぐにもどってくるだろうけれど、このチャンスを逃すわけにはいかない。
部活動中の生徒という多くの目がある場所で一叶ちゃんをいじめることは、彼女のストーカーをあぶり出すためにも必要なことだから。
一叶ちゃんがストーカーの被害に遭いはじめたのは、去年の冬から。
正確には、この学園へ通うために下見などで出入りするようになってからだ。
隠し撮り写真と共に『いつも見守っています』なんて手紙が家に送りつけられるようになったらしい。
それが日を追うごとにエスカレートしていって、一叶ちゃんが辰見くんとつき合っていることを知ったらしいストーカーから『すぐに別れろ』『君に辰見哩都は相応しくない』『別れないと、なにをするかわからないよ?』などと脅迫とも取れる内容の手紙が届くようになった。



