入学式早々かわいい女の子をいじめた私、鴇野あやめは学校が終わるとすぐに校外へ出た。
長いストレートの黒髪をゆらしながら、もともとつり上がっているほんのり青みがかった黒目を厳しくして目的の場所に進む。
人通りが多い街に出て、途中で横道に入って入り組んだ道をスタスタと歩く。そうしてついた場所には、青い屋根のかわいらしい一軒家があった。
こぢんまりとしているし、ビルにはさまれてちょっと日当たりは悪いけれど、三人と犬一匹が住むにはちょうどいい大きさだ。
ここが今の私の家であり、今回の仕事をする上でのアジトなんだ。
早く家の中に入ろうと一歩足を踏み出すと、家の陰の方から小さな黒いモフモフが現れて私の方に走ってくる。
「キャン!」
甘えたような鳴き声を響かせながら突進してきたのは、黒い柴犬だ。
「マロ!」
両腕を広げて愛犬を迎え入れると、私はそのままマロをワシャワシャとなでた。
「ただいま~。お迎えありがとうマロ~」
子犬のときから私が世話をしてきた黒柴のマロ。目の上の白い部分を『まろ眉』って言うらしくて、その響きがかわいくてマロって名づけたんだ。
風が起こりそうなほどブンブンと尻尾をふるマロとじゃれ合っていると、どこからともなく影が差す。
見上げると、整った顔立ちの男の子の顔があった。
長いストレートの黒髪をゆらしながら、もともとつり上がっているほんのり青みがかった黒目を厳しくして目的の場所に進む。
人通りが多い街に出て、途中で横道に入って入り組んだ道をスタスタと歩く。そうしてついた場所には、青い屋根のかわいらしい一軒家があった。
こぢんまりとしているし、ビルにはさまれてちょっと日当たりは悪いけれど、三人と犬一匹が住むにはちょうどいい大きさだ。
ここが今の私の家であり、今回の仕事をする上でのアジトなんだ。
早く家の中に入ろうと一歩足を踏み出すと、家の陰の方から小さな黒いモフモフが現れて私の方に走ってくる。
「キャン!」
甘えたような鳴き声を響かせながら突進してきたのは、黒い柴犬だ。
「マロ!」
両腕を広げて愛犬を迎え入れると、私はそのままマロをワシャワシャとなでた。
「ただいま~。お迎えありがとうマロ~」
子犬のときから私が世話をしてきた黒柴のマロ。目の上の白い部分を『まろ眉』って言うらしくて、その響きがかわいくてマロって名づけたんだ。
風が起こりそうなほどブンブンと尻尾をふるマロとじゃれ合っていると、どこからともなく影が差す。
見上げると、整った顔立ちの男の子の顔があった。



