シークレット・ミッション～なりきり悪女の恋愛事情～

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　ミッションをこなしつつ、取り巻きもできちゃったりしたけれど、授業中はとくになにか目立つことをするわけじゃないから普通にすごした。
　中学で習う範囲だったら基本はもう頭に入ってるし、当てられたら無難に答えるって感じで問題はないし。

　ただ、体育はちょっと力加減に困ったかな？
　今日はドッジボールだったんだけれど、あんまり素早くよけたら身体能力が違うのバレちゃうし。
　でも投げたボールを相手チームに当てすぎてちょっとおどろかれちゃった。
　途中でマズイかな？　と思って手加減したけれど……変にあやしまれたりはしてないよね？

　そんな感じで一応無難に一日を終え、放課後。
　基本ずっと周りにいたアイ、マイ、ミチが、どこかへいなくなったなーと思っていたら、眉をつり上げてもどってきたんだ。

「あやめさん！　またあの子です！」
「校庭のほうで辰見くんと津嶋さんが一緒にいるの見ました！」
「二人きりでなにをしているのか……見過ごせません！」
「……」

　いや、恋人同士なんだから一緒にいるのは普通だし、二人きりといっても校庭なら部活動の生徒はいるだろうから人目はあると思うんだけど。

　なんて、冷静なツッコミをするわけにはいかないよね。
　辰見くんのことが好きでいじわるな女の子だったら、一緒になって怒って邪魔しに行くって言うに決まってるもん。

「校庭のどこ？　案内してちょうだい！」