私は二人の背中を不満そうににらみつけながら、心の中で親指を立てた。
グッジョブだよ二人とも!
これで周りの人たちには、思い合っている二人の間に割って入る邪魔者な私、ってイメージがちゃんとついたと思う。
一叶ちゃんを落ちぶれた家の子として蔑んでいる人たちも、今の私を見て多少は二人の邪魔をするのは惨めだって思うんじゃないかな?
一叶ちゃんと辰見くんの仲を認める声が一気に多くなるわけじゃないけれど、少しずつ意識が変わってくるはずだ。
とにかく、今日もミッション遂行のための作戦は順調に進めることができたなってホッとした。
すると、ちょうどそのとき。校門の端の方で女の子たちがキャアキャアとうれしそうな声を上げていることに気づいた。
見ると、彼女たちの視線の先には透里がいる。
眼鏡をかけて、冷たく見えるくらい澄ました顔で校舎の方へ歩いている透里。もともとの格好良さにクール属性が加わったことで、そういうタイプが好きな女の子たちの心をしっかりキャッチしたみたい。
「木虎くん、今日もカッコイイ!」
「だよね! そっけないところもあるけど、だからこそ笑った顔に打ち抜かれちゃうっていうか」
「そうそう! いつか私だけに優しくほほ笑んでもらいたい~!」
騒いでる女の子たちの中には、事前調査で辰見くんの熱狂的なファンのうちの一人がいたことからも、透里もちゃんとお役目を果たしているんだなって思った。
だから私は、ちょっとにじんできたモヤモヤを、顔を出しそうになった恋心と一緒に抑えこんで校舎へ足を向けた。
グッジョブだよ二人とも!
これで周りの人たちには、思い合っている二人の間に割って入る邪魔者な私、ってイメージがちゃんとついたと思う。
一叶ちゃんを落ちぶれた家の子として蔑んでいる人たちも、今の私を見て多少は二人の邪魔をするのは惨めだって思うんじゃないかな?
一叶ちゃんと辰見くんの仲を認める声が一気に多くなるわけじゃないけれど、少しずつ意識が変わってくるはずだ。
とにかく、今日もミッション遂行のための作戦は順調に進めることができたなってホッとした。
すると、ちょうどそのとき。校門の端の方で女の子たちがキャアキャアとうれしそうな声を上げていることに気づいた。
見ると、彼女たちの視線の先には透里がいる。
眼鏡をかけて、冷たく見えるくらい澄ました顔で校舎の方へ歩いている透里。もともとの格好良さにクール属性が加わったことで、そういうタイプが好きな女の子たちの心をしっかりキャッチしたみたい。
「木虎くん、今日もカッコイイ!」
「だよね! そっけないところもあるけど、だからこそ笑った顔に打ち抜かれちゃうっていうか」
「そうそう! いつか私だけに優しくほほ笑んでもらいたい~!」
騒いでる女の子たちの中には、事前調査で辰見くんの熱狂的なファンのうちの一人がいたことからも、透里もちゃんとお役目を果たしているんだなって思った。
だから私は、ちょっとにじんできたモヤモヤを、顔を出しそうになった恋心と一緒に抑えこんで校舎へ足を向けた。



