【中】暴君の溺愛は、罪なほどに。



「どうぞ」


「ありがとうございます」




 ぺこっと頭を下げて中に入ると、ローテーブルの両サイドに置かれたソファーに騎士(ナイト)くんが座っていた。

 帝王(エンペラー)さんはテーブルの奥の、1人用ソファーにほおづえをついて座っている。




帝王(エンペラー)さん、晩ご飯に、と思ってチャーハンを作りました。よかったら食べてください」


「…」




 帝王(エンペラー)さんのとなりに行ってしゃがみ、にこっと笑いかけると、帝王(エンペラー)さんは、じぃっとチャーハンを見つめた。

 どこか、一点を見つめているような。

 どこを見てるんだろう、と思ってチャーハンに視線を移すと、帝王(エンペラー)さんの手が伸びてきて。


 お皿をひっくり返すように、下から手の甲をぶつけられた。




「わっ」