「皆木さん、あんなに走ってよく食べられるね…」
「だからこそだよ!たっぷりエネルギー補給しないとっ」
「………まさに体育会系」
隣に座った坂田さんは手で千切りながらお上品にパンを食べていた。
でもひとつだけ辛いのは、遥人くんに会えなくなること。
サッカー部顧問である先生とは夏休み中も顔を合わすことは何度かできたが、この3泊4日だけは。
わたしのこと忘れちゃダメだよ先生っ!!
「食べ終わったらパー練だから準備して!ほらそこっ、グダグタしない!」
そして落合先輩は前よりももっと意欲に満ちていた。
メンバーに戻されたこともそうだけど、ずっと応援していた彼氏が甲子園出場となったのだから影響されるよね。
リア充パワー、恐るべし。
「皆木さんっ、ちょっと楽器いっしょに運んでもらっていいかな!?」
「えっ、うん!」
「えーっとそこの初心者の子!そっちにある楽譜立て、あとで持ってきてもらえると助かる!」
「あっ、はい!」



