あの放課後、先生と初恋。





「ホルンは3年の島谷のほうがどう考えたって才能も技術もある。みんなもそう言ってるし、2年にも和久井以上はたくさんいる。…なのにどうしてか、島谷が外されて和久井がメンバーに入ってる」



どうしてだろう。

彼女にだけ何か飛び抜けた才能があるのだろうか。



「…和久井先生の娘、なんだよね」


「え…」


「1年も2年も3年も関係ないとか言っておいて…、誰よりも私情で動いてるのは和久井先生だよ」



だからメンバーから外されたとしても仕方ないと思ってる───と、無理やり納得しようとしているようにわたしには見えた。

落合先輩はこんな曖昧さで今回のことを受け入れてるんだ。



「文句も意見も言えない、そんなのは言わせない。それが…うちの顧問の指導だから」



ああ金賞取れないなって思った。

ド素人なりに言ってもいいなら、全国大会に行けたとしても今年は金賞は無理だ。