あの放課後、先生と初恋。





ブラスバンド。

これがブラスバンドだったんだ。


唯ちゃんや先生がたまに言っていた、金管楽器を主体として編成される楽団。

高校ではとくに、吹奏楽部が応援団として今日のように繰り出る。



「そいつが鈴高に行くって言うから、あたしも同じとこ受験して。理由なんかそれだけだったから………あたし、実際は吹部でも嫌われてるんだよ」


「……最初は、下手だったって、」


「うん、それもある。1年のときはとくに来る場所まちがえたって思った。でも……そこからあたしもそいつを応援したい一心でやって、いまの立場になったの」



先輩から譲り渡されたノート、毎日のように見ている。

授業のノートよりも開く頻度が多いくらいに。


目にするたびに先輩の努力のすごさを痛感して、たくさん泣いたんだろうなって涙の跡を見つけるんだ。