和久井先生との会話はそれだけだったけれど、わたしの心には小さな自信のようなものが生まれた気がする。
改めて名前を言ったほうが良かったかな…とか、せっかくだからいろいろ質問すれば良かったな…とか。
先生、ねえ先生。
わたし、初めてこんなにも楽しいって思えたよ。
「皆木さんっ、はやく来て…!先生がミーティング開いてるから!全員参加!!」
「えっ、あっ、うん!」
18時を過ぎた頃、忙しく名前を呼んできた坂田さん。
わたしは楽器を置いて、ミーティングが行われている第1音楽室まで走った。
ちょっとだけ和久井先生のイメージが変わった。
ほんのちょっとだけど、指導者としての彼女を実感できた……かも。
「秋の全国は当たり前です。全国金賞も当たり前です。もちろん私は甘くはないから、相応しい人材をメンバーにするつもりよ。
そこには1年も2年も3年も関係がない。悔しいなら、それ以上の結果を残しなさい」



