う…、3年生を送る会のことだ。
そう、なんと、なんとだった。
3年生には大ウケしたという謎の現象が起きたのである。
「吹奏楽は繊細な技術も大切だけど、時として思い切りも必要だとあたしは思うんだよね。とくにトランペット、にいなそっちのが向いてない?」
「…いや、トロンボーン……」
「はは、ごめん。そうよね、にいなはボーン大好きだもんね」
先輩から譲ってもらったノートをぎゅっと抱きしめる。
これはわたしの宝物だ。
何回も何回も読んで、いつか先輩みたいに演奏できるようになりたい。
「先輩も頑張ってください…!いよいよですね……!」
「うん。応援よろしくね」
「はいっ!」
近づく予選。
勝ち進めば本選大会。
そこで県代表に選ばれて、さらにその次の東海大会で金賞を受賞し、上位3位に選ばれなくてはならない。
そうすれば10月に開催される全国大会への切符を掴めるのだ。



