あの放課後、先生と初恋。





「わたし、先生のことが大好きでした……っ」


「─────……」


「…ずっとずっと、大好きでした。先生がいたからここまで強くなれて、ここまで来れたよ。いつも…、本当に本当にありがとうございました……!!」



この先も忘れない。

いつか思い出したとき、笑顔で懐かしいねって振り返るの。


わたしは誰よりも青春をしていて、誰よりも走って、追いかけていたこと。


先生が初恋のひとで、本当によかった。




「────俺も好きだったよ」




教師としての、つよがり。
男としての、本音。

どちらだったとしても、あの日の涙が嬉しいものに変わった。



「いつも一生懸命で元気なおまえが」



金賞、取ったよ先生。

あんなにも何も吹けなかったわたしがメンバーになって、全国大会のステージに上がれたの。



「今日、わたしのこと…、見てくれてた…?」


「ああ、見てた。…ずっと皆木だけを見てた。いちばん……誇らしくて最高だったよ」