あの放課後、先生と初恋。





まさか然くんが先生を連れてくるなんて思ってなかったんだよ。

あなたはどこまでわたしの気持ちを優先させて、どこまでわたしの初恋を大切にしてくれるの。


あの日、伝えられなかった気持ちがある。



「もしこれで俺となにいな先輩の未来が変わったとしても………俺はそれを受け止めます」


「…どう、して」


「だって、好きな女の子の恋が叶うって……スゲー嬉しいことだから」



最初から彼はこんな心の広さでわたしのことを好きになったのだと。

先生に失恋したから自分を選んだとしても、それでも良かったのだと。


わたしの隣にいられるなら、なんだって良かったんだと。



「でも、これだけは強がりとして言わせてください。…誰にとっても初恋が特別な理由って、叶わないものだからだと俺は思ってる」


「…然くんの初恋、叶っちゃったよ…?」



たぶん、わたしだよね……?

今までサッカーしか見ていなかった然くんが初めて好きになった存在は。