嬉し涙でぐしゃぐしゃな顔はみんなお揃い。
顔を見合わせて笑って、気持ちが込み上げて何度も抱き合って。
「も~、泣きすぎですよ落合先輩っ」
「だっ…、て…っ」
「ソーマ先輩!キッスの出番っ、ほら今度こそ…!!」
「……逆になんでそんなに見たいんだよ」
文化ホールの外で写真撮影をしたり、ライバル校の生徒たちと交流したり。
お母さんとおじいちゃんに少しだけ会えたあとは、ずっと探していた人物がやって来てくれる。
「にいな」
「然くん…!」
生徒たちの群れを抜けて、駆け寄る。
わたしのぐしゃぐしゃな顔に笑って、また流れた涙をそっと拭ってくれた。
「一浦先生、まだ向こうにいます」
「…うん。先生にもお礼言ってこなくちゃ」
「お礼だけじゃない気持ち、伝えないとでしょ?…先輩」
「…………、」



